認知症疾患医療センター長挨拶
紀本創兵(神経精神科 教授)
皆様、こんにちは。2024年4月より認知症疾患医療センター長を拝命致しました。この重要な役割を担わせていただくことを深く感謝し、心よりお礼申し上げます。
和歌山県の高齢化率は33%を超え、国内のなかでも顕著な高齢化を示しています。この現状は、認知症を持つ方々への適切な対応が急務であることを意味しております。2024年に施行された認知症基本法は、認知症の人々が尊重され、支援される社会を目指しています。またこの法律は、認知症の予防と早期発見、さらに適切な治療と継続的な支援を通じて、認知症の方々が地域社会で尊重される生活を送れるよう促進することを趣旨としています。
私たちのセンターは、脳神経外科、脳神経内科、神経精神科の三診療科が共同で運営しており、この総合的なアプローチにより、認知症の多面的な課題に対して、より包括的な診療とケアを提供しています。また、地域の認知症医療の中核的な役割を担っており、基幹型医療機関として、他の医療機関や関連施設と顔の見える関係を築きながら密接に連携を図っていきたいと考えています。最近発売された認知症治療薬(抗体医薬)の導入を含め、最新の医療技術と知見を地域に提供し、認知症ケアの質を一層向上させることが私たちの使命です。
認知症の方々が地域社会で尊重され、シームレスに支援される生活を送ることができるよう、地域の皆様と共に努力してまいります。共生社会の実現に向けて、私たちと共にこの重要な使命に取り組んでいただけますよう、皆様のご支援とご協力を心からお願い申し上げます。