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消化管グループ
マウスピース用吸引具の開発
経皮内視鏡的胃瘻造設術 Percutaneous endoscopic gastrostomy(PEG) や内視鏡的粘膜下層剥離術 Endoscopic submucosal dissection (ESD) をはじめとする治療法の開発?普及に伴い、長時間にわたる上部消化管内視鏡治療が増加してきています。
このため、内視鏡治療中の唾液流出のコントロール困難なケースがしばしば遭遇します。長時間の内視鏡治療では、内視鏡が口腔内を複数回出入りすることによる唾液分泌が促進され、また施行に際して用いられる抗コリン剤の効果が持続しないことにより、唾液の誤嚥リスクが軽視できない問題となっています。さらに内視鏡治療は鎮静下で施行することが多く、基礎疾患に脳梗塞や認知症を有する場合は誤嚥のリスクが高くなります。
経皮内視鏡的胃瘻造設術 PEGや内視鏡的静脈瘤硬化療法 Endoscopic injection sclerotherapy (EIS)など仰臥位(仰向け)で内視鏡治療を施行する場合、唾液の口外への自然排出は困難で、唾液の貯留を内視鏡施術者や介助者が確認してストロー状の吸引チューブで吸引する方法をとっていました。
我々は以上の点に着目し、口腔内持続吸引装置つきマウスピース(Continuous Suction Mouthpiece; CSM)を考案?作成し、特許(特許第5917259号)を取得、開発を行っています。